『ファスティングダイエット』って聞いたことがありますか?日本語にすると『断食療法』…ちょっとハードなイメージですね。でも、正しく取り入れるとダイエットにも健康にも効果的といわれています。
ここではファスティングダイエットで効果が得られる理由とその方法、さらに初心者向けのプチ・ファスティングについて紹介します。
ファスティングダイエットとは?
ファスティングとは英語の“fasting”、つまり“断食”や“絶食”を意味する言葉です。
全く何も食べない…というわけではなく、野菜ジュースや補助食品など健康に必要なビタミンやミネラルを摂りながら、比較的ゆったりと行うものです。
私たちの胃・小腸・大腸などの消化器官をはじめ、肝臓・腎臓・すい臓などの臓器は、毎日休むことなく働いています。ファスティングとは、これらの器官に休息を与えてあげようというものなのです。
なぜ効果がある?
私たちの体は、食事によって必要な栄養素を得るのと同時に、それとともに摂取された有害物や代謝の過程で生じた老廃物などを体外に排出しています。しかし、便秘や過剰な食事によって、通常では排出しきれない有害物や老廃物が体内に蓄積してしまうのです。
これらの供給源を断つ…すなわち断食することによって体をリセットすることが、ファスティングの目的です。常に休まず働いている内臓器官を休めることもできます。これによって便秘などが改善され、デトックスにもなるので美肌にも効果があります。
それと同時に、強制的にエネルギー不足の状態を作り出すことで、体脂肪の燃焼を促すことができます。定期的なファスティングは、太りにくい体に変えることにも効果があるといわれています。
ファスティングダイエットの方法
ファスティングにはいくつか種類がありますが、一般的なファスティングダイエットとして広まっているのは、野菜や果物、ハーブなどを発酵させて作った酵素ドリンクと水のみで断食をする方法です。
週末や休暇を利用して、無理のないタイミングで実施するようにしましょう。
(1)準備期
ファスティングに身体を慣れさせるための期間です。ファスティングを行う日数と同じくらいの準備期間を設けるのが基本です。
この期間は普段より食べる量を少なくします。和食などバランスの良い食事を腹6~8分目くらいに留めて摂取するのがよいでしょう。
(2)ファスティング期
水または酵素ドリンクのみを摂取して過ごします。1~3日程度行うのが一般的です。3日以上のファスティングを行うときは、危険を伴う場合があるので、ファスティングに詳しい医師などの指導の下で行いましょう。
(3)復食期
ファスティング後、通常の食事に戻すまでのとても大事な期間です。準備期と同様に、ファスティングを行った日数と同程度をかけて、ゆっくりと通常食に戻します。
まずは重湯や具の入っていない味噌汁などの完全流動食からスタートし、徐々に固形物を食べるようにします。少し固形物が摂れるようになったら、ヨーグルトやおかゆなどもおすすめです。
段階が進んだら、ぜひ豆腐を取り入れてみてください。豆腐は消化もよく、大豆のたんぱく質も含まれ、健康にもよい食材の一つです。
復食期には、味付けは薄いほうが胃腸にも安心です。辛いものやしょっぱいものは胃腸への刺激が強いので控えるようにしましょう。
復食期の後半は、いつもの7割程度の食事量が適切です。ファスティングによって飢餓状態に近くなっていますから、体は栄養をどんどん吸収しようとしています。そのため、脂質や糖質を取りすぎるとリバウンドの原因になりますので、注意が必要です。
こんな時に最適!
ファスティングの最大のメリットは、比較的短期間でダイエットできる点です。ですので、「健康診断日までにダイエットしたい」「この夏までに痩せたい」などの短期集中での体重管理法として活用できます。
また、ファスティングを繰り返すことで体の中からリセットすることができ、体調管理や体質改善にも役立ちます。
注意したいこと
ファスティングは体を飢餓状態に近づける行為ですので、体調には十分な注意が必要です。ファスティングを始める前に体調を見極めてくださいね。
また、次の方はファスティングに適していません。体調が整ってからチャレンジしてください。
- 体調を崩している
- 薬を服用している
- 妊娠している
- 内蔵に障害や病気がある
- 痩せすぎている、体重が平均を大きく下回る
- 中学生以下(体が発達途中)である
ファスティング中や復食期に避けたいもの
ファスティング中は体に必要最低限の栄養しか摂っていませんから、胃腸の活動もいつも通りではありません。そのため注意をしないといけないのが、刺激物の摂取です。
通常時はあまり問題になりませんが、前述の通り、味の濃いもの、辛いものも十分な刺激になります。同様に、カフェインも刺激となりますので、コーヒーなどの飲み物は避けるようにしましょう。
また、飲み込むわけではありませんが、ガムも避けましょう。ガムを噛むことにより、胃液が分泌されて胃の粘膜を刺激することになってしまいます。
さらに、タバコもやめましょう。タバコのニコチンには血流を悪くする作用があり、ファスティング中の胃腸には刺激となります。肌にも悪影響がでますので、ファスティング後の肌荒れなど、肌トラブルが起きる原因になることもあります。空腹のストレスからついつい手を出したくなりますが、やめておいた方が無難です。
手始めに…プチ・ファスティング
ファスティングは短期間で効果が得られるダイエット法ですが、やはり何日も食べないのは難しい…という方もいると思います。そういう人におすすめなのが『プチ・ファスティング(プチ・断食)』です。
プチ・ファスティングとは、“毎日寝る前の4時間何も食べないことで、睡眠時間も含めた合計12時間の断食をする”というファスティング方法です。
実は、寝る前に食物を摂取すると、次のようなデメリットがあるのです。
- 寝ている間はカロリーを消費できず、脂肪になりやすい
- 寝る前は副交感神経が優位になっており、代謝が低下している
- 夜間は脂肪を蓄積させるタンパク質が増加している
このように、寝る前に食べ物を摂取しないことは、医学的にも非常に合理的なダイエットになります。
ちょっとした生活習慣を変えることで、デトックスにもなり、体もリセットできるプチ・ファスティング…毎日の終わりに、体を労わってあげるのもいいですね。
